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2025.06.25 コラム

TNRこぼれ話➂-カモ

TNR活動をしていると色々なことが起きる。
これはカモのお話。

 ここはとある用水路。江戸時代に建設され農業用水として使われていた。長い距離を流れて多摩川に注ぎ、今は市民や鳥達の憩いの場となっている。 

 自転車での通勤路であるこの用水路の両側には、車も通れる沿線路があり、水路を中心に猫が増えていた。何故かというと、水路の両側の植え込みで餌をやったり、犬の散歩中に用水路に下りて川原に餌を置いていく人が複数いて、猫が増え続ける要因になっていた。
 この水路にはカモも沢山棲んでいる。したがって、カモ達は猫から何らかの被害を受けていると想像できた。
 ある朝、いつものように自転車で駅に向かっていた。

 カモが前を歩いていた。

 地上を歩くのは苦手ですと言わんばかりのペタペタ歩き。
狭い車道である。車が来たら轢かれるに違いない。
 急いで自転車を降り、カモの体を両側から掴み水路に戻そうと試みる。ところが、意外にもそのカモは抵抗もせず、水路に降りるまでおとなしく私に掴まれたまま運ばれて、無事に水に戻すことができた。
 すぐに仲間のカモが寄って来て、「お前、人間に何かされたのか?」と言っているようだった。それに、ちらとこちらを非難の目で見たようにも思えた。
「それは濡れ衣です・・。」
 皆さん、カモを持ち上げたことがあるだろうか。意外に大きく、がっしりした体付きで、思ったより重い。

 現在その水路の両側では、殆ど猫を見かけなくなった。TNR活動の成果と言える。
カモの母子達も安心して暮らしていると思われる。

◆環境省が推奨する野良猫を減らす有効な方法。
・TNR:Trap・Neuter・Return(の略)/捕獲して、手術をして、元の場所に戻す。
・「地域猫」にして世話をする:TNR後に地域で見守り、一代限りの命を全うさせる方法。

(K.S.M)

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