お知らせ
「施設入所が決まった高齢者の飼い猫をどうしよう!?」
私がその猫を引き取りに行った時、そのおじいさんは自分が数日後に施設に入居することをわかっていませんでした。
かみ合わない話の中、仕方なく、ケンちゃん(猫の仮名)ちょっと病気で病院につれていくから預かりますねとキャリーバッグに入れました。
いつ帰ってくるの?とおじいさんはキャリーバッグを撫でていました。それがおじいさんとケンちゃんの別れでした。どんな出会いがあったのか、どんな歴史があったのかわからずじまいでした。
施設入居後、おじいさんはケンちゃんのことを口にすることはなく、しばらくして亡くなったそうです。
認知症のおじいさんにウソをついて猫を奪ったともいえる、私の棘のような経験です。 (N・M)
かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2025年3月号(43号)
【タイムリミットまでに猫をなんとか!】
今回は、賃貸アパートで独居の80代男性を担当されていたケアマネージャーさんから、ご相談いただいたケースです。
その方は、数年前から認知症が進行し、介護認定も受けておられました。生活保護受給者ですが、金銭感覚が極度に低下のため見守りセンターが代行しているとのことでした。
個人事業者であるケアマネさん、社会福祉協議会が介入し、グループホームへの入居が決定したものの、その方が内緒で飼育していた1匹の猫の処遇が問題となったのです。解決までのタイムリミットは入居日です。
【安堵と問題点の認識】
入居までに不妊手術をし、譲渡先を決めたいという方針です。ケアマネさん、社協のヘルパーさん、ボランティアさん等が協力し、半ば外飼いの猫の捕獲から手術の日程調整、さらに譲渡先が見つかるまでの保護管理など動物愛護センターとも課題を共有し、的確に進めることができた結果、最終的に猫は以前に介護を担当されていたヘルパーさんに譲渡となりました。
皆さんの協力と善意で幸い解決することができましたが、本来の業務外である方々の負担、“自助”が叶わない方の早めの対応の必要性などの問題点を再認識するケースでした。
かわさき高齢者とペットの問題研究会 https://kawasaki-sepw.localinfo.jp/