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2025.02.20 コラム

人とペットの老老介護の行き着く先は

普通の飼い主さんで自立生活を送れていた人が、年齢を重ねるうちにいつの間にか、周りに気づかれないうちに不適切飼養に陥ってしまう例が増えています。
  
ボランティアが実際に経験した事例をご紹介します。
(かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2025年2月号より)

【ペットも認知症になる】
包括支援センターからご連絡いただいた、90代の女性のケースです。その方は、認知症が進行しつつも、18歳になる愛犬と暮らしていました。犬の18歳は、人間でいえば飼い主さんと同じ年代です。長年、大切に飼われていたことが忍ばれます。

ペットも、人と同じく高齢で認知症を発症する場合があります。この犬も無駄吠えや徘徊など認知症の症状がひどくなり、飼い主さんご自身で世話ができる限界を超えていました。家中にごみや食べ散らかしたペットフードなどが散乱し、近所に住む娘さんが訪れて世話をしている状況でした。

【気持ちと現実のはざまで】
飼い主さんに犬の譲渡を提案しましたが、絶対に手放さないという意思が強く、娘さんもお母様の気持ちを優先したいとのご希望でした。

そこで、ひとまず認知症の犬のケアに関するアドバイスをし、その後は定期的にケアマネさん、娘さんと連絡を取り合いながら時間をかけて説得することになりました。1年が経過した頃、飼い主さんは自宅で愛犬を見送り、その後は施設に入居されました。

周囲の理解と協働で持ちこたえたとは言え、いつ状況が変わるかわからないケースです。人とペットの老々介護の解決の難しさを実感しました。

【ミニ情報:ペットの認知症】
高齢になった犬や猫が、頻繁にトイレを失敗したり、徘徊したり、鳴き声が大きくなったりなど、明らかにこれまでと違う異常行動をとるようになったことに気がついたら、叱らずに行動を観察しましょう。ペットの認知症は珍しいことではありません。

また、認知症でなくても、病気が原因で似たような行動が見られることもあります。思い当たる症状があれば、動物病院に相談してください。
(N.M)

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